鹿野酒造の創業は1819年の江戸時代後期。蔵元のある石川県加賀市は稲作が盛んな地域で、日本三霊山の白山からの雪解け水が田畑を潤します。鹿野酒造では、日本酒醸造の原料となる酒米・山田錦を、蔵元裏手にある水田で自社栽培。仕込み水は蓮如上人ゆかりの「白水の井戸」を使用しています。
良質な米と水はもちろん、酒造りには杜氏の存在も欠かせません。同蔵では、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演した日本を代表する能登杜氏の農口尚彦さん(78歳)が先陣を切って仕込みを行います。中でも農口さんの得意技「山廃仕込」で造った純米酒は人気の一品。専務取締役で7代目でもある鹿野博通さんは「伝統製法である山廃仕込は天然の乳酸菌を使ってゆっくりと発酵させるため温度管理が大変で、杜氏の勘や見極めが求められる難しい作業です。その中で農口氏の造る酒は、上品な口当たりで、口に入れた瞬間に米のうまみが広がります」と話します。
鹿野さんは「新酒しぼりたて生原酒が出回る冬は、日本酒を味わう最高の季節。またバレンタインデーやホワイトデーには純米大吟醸酒「KISS of FIRE」(税込3,990円)がおすすめです。日本酒はチョコレートにも合うんですよ」と教えてくれました。