今号のBook

ラジオ局の新米アナウンサーが深夜放送に大革命を起こす!?
ラストレター
ラストレター
さだまさし 著
朝日新聞出版
本体1,500円+税
JOPR東亜(とうあ)放送は、平均聴取率が都内キイ局4社中、常に第3位のラジオ放送局。制作局は※(コメ)(聴取率調査で1%以下の番組)脱却に躍起になっていました。低聴取率に局長の怒号が飛ぶ中、それを聞いていた最古参のプロデューサー・大越大五郎は「聴取率なんか相手にするんじゃねぇ!」と“禁止単語”とともに大声を張り上げます。しかし、その相手は関係のない入社4年目のアナウンサー・寺島尚人。寺島は自分は制作の人間ではないと伝えるものの、大越は「おめえが言ってこい!」とにらみます。仕方なく制作局に向かい、吹っ切って大越の言葉をとどろかせた寺島に一同茫然。そして彼に深夜放送大革命の白羽の矢が立ってしまいます。
パーソナリティに抜擢された寺島が担当することになったのは土曜日深夜の番組。メールやツイッターなどが主流になるラジオ投稿を葉書に限定し、ラジオの原点回帰と心の初期化として、昭和の時代にあった「体温」を復活させるという目標を掲げますが、スポンサー探しやライバル登場など、問題は山積み。それでも番組を制作する仲間たちの団結は一層深まり、番組の最後に紹介する「ラストレター」という企画が大反響を呼んでいきます。
ラジオの深夜番組に、忘れかけた体温を取り戻そうと奮闘する姿に、熱い思いが込み上げてくる一冊です。
海外出張者に向けた初のビジネスガイド本。ジャカルタでのビジネス成功を指南する!
シゴトタビ 日経ビジネス インドネシア
シゴトタビ 日経ビジネス  インドネシア
日経ビジネス&TNC編 著
日経BP社
本体2,200円+税
近年ASEANへの注目が急速に高まっています。その中でも2億4700万人もの人口を抱えるインドネシア、特に首都ジャカルタは、消費拠点としての魅力から進出を検討する企業が多く、日本人出張者は劇的に増えています。しかし、ビジネス的な魅力があっても、日本で事前に得られるインドネシアの情報が圧倒的に少ないという問題があり、出張者は丸腰に近い状態でジャカルタに挑むほかありませんでした。
そんな不安を抱える出張者の福音となるのがこの本。出張者を対象にした初めてのビジネスガイド本で、現地在住の日本人調査員が取材した「生」の情報が存分に盛り込まれています。
例えば、タクシーとバスを使い分けてジャカルタ名物の渋滞を回避する方法や、知られざる現地のローカルブランド、日系コンビニ vs 地元コンビニ、パン食ブーム、絶大な人気の日本のKUMON、喜ばれる日本の土産物など、ビジネスに役立つノウハウやトレンドのキーワードが徹底網羅されています。取引先や上司との夜の会食で使えるレストランやラウンジ、パブなども満載で、全ての情報がビジネス視点で紹介されています。
発売中のシリーズ第2弾 『シゴトタビ 日経ビジネス タイ』と併せて、ASEANを読み解く指南書としてビジネスパーソンの必読書になりそうです。
●奉行EXPRESS 2015年夏号より [ →目次へ戻る ]