頭のスパイス 心のビタミン BOOKS

頭のスパイスBOOK 頭のスパイスBOOK
ビジネスに役立つ選りすぐりの一冊
会社人生は「評判」で決まる

著者:相原孝夫
日本経済新聞出版社
893円(税込)
 個人が主観的に物事に意見する「口コミ」。宴会や食事会の店選びはもちろん、書籍や服の購入に至るまで、今や口コミは効力の高い判断基準の一つとなっています。では、この口コミ、いわゆる「評判」を、ビジネスの場面に置き換えてみましょう。例えば、皆さんが面識のない人の話を聞かされた時、「評価は良いけれど、評判の悪い人」と「評価は良くないけれど、評判の良い人」、どちらの人に好印象を持ちますか。「評価」と「評判」は同じように見えますが、会って話をしてみたい、もしくは一緒に仕事をしてみたいと思わせるのは、どちらかと言えば「評判の良い人」ではないでしょうか。本書では、この「評判」に着目し、会社人生における「評判」がいかに重要か、「評判の良い人」と「評判の悪い人」の違いは何か、そして、どうすれば自分の「評判」を高められるかについて述べられています。
 人材の選抜や組織開発を長年手がけてきた筆者は、評価が高くても評判が悪くては意味がないと断言します。しかし、自分の評判を気にし過ぎて無理に取り繕うようなことは逆効果。本書は、「評判を上げる習慣」を身につけるテキストに最適です。
心のビタミンBOOK 心のビタミンBOOK
疲れた心を満たす良質の一冊
楽園のカンヴァス

著者:原田マハ
新潮社
1,680円(税込)
 岡山県にある大原美術館に監視員として勤務する早川織絵。自分のことはあまり語らず、周りと距離を置きながら、淡々と与えられた使命を全うする彼女でしたが、ある日、館長から呼び出しがかかります。なぜ一介の監視員である自分が呼び出されるのか。不安な気持ちで部屋に入ると、そこには館長と某新聞社の文化事業部部長が。彼らは織絵に詰め寄ります。ニューヨーク近代美術館のチーフ・キュレーターであるティム・ブラウンを知っているはずだ、そして君はかつて美術界をにぎわせたアンリ・ルソーの研究者だ――と。
 物語の舞台は1983年の夏にさかのぼります。ティムと織江は伝説のコレクターから、アンリ・ルソー作の「夢」と酷似した絵の真贋を七日間で見極めてくれと依頼されます。勝敗のかかったレースに挑んだ二人。研究者としてのプライド、葛藤、彼らを取り巻く欲望…。その謎の魅力に引き込まれた人々の想いが交錯していきます。
 史実をもとにしたフィクションである本作。一枚の絵と一人の画家をめぐるミステリーに、読み手も引き込まれてしまう一冊です。
ベストセラー 2012年6月5日 トーハン調べ
    ■単行本・文芸
  • 舟を編む[三浦しをん/光文社]
  • 夜の国のクーパー[伊坂幸太郎/東京創元社]
  • 岳飛伝(1) 三霊の章[北方謙三/集英社]
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟[東野圭吾/角川書店発行/角川グループパブリッシング発売]
  • 三匹のおっさん ふたたび[有川 浩/文藝春秋]
    ■単行本・ビジネス
  • 人生がときめく片づけの魔法[近藤麻理恵/サンマーク出版]
  • 「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ[鈴木博毅/ダイヤモンド社]
  • 金持ちになる男、貧乏になる男[スティーブ・シーボルド 著、弓場 隆 訳/サンマーク出版]
  • 感情の整理ができる女は、うまくいく[有川真由美/PHP研究所]
  • 100円のコーラを1000円で売る方法 マーケティングがわかる10の物語[永井孝尚/中経出版]
●奉行EXPRESS 2012年夏号より [→目次へ戻る]