ある年、観光立県を目指して、高知県庁観光部に「おもてなし課」なるものが誕生しました。おもてなしの心で観光を盛り上げようというコンセプトで発足した課でしたが、融通が利かない“お役所”では、なかなか成果も出せないでいます。そんな中、おもてなし課で一番若い25歳の掛水史貴は、県出身の著名人に観光特使をお願いしたらどうか、というアイデアを出します。この企画が後にとんでもないことを引き起こすとも知らずに――。
観光特使の話を進めていたある日、掛水のもとに特使の一人として依頼した人気作家・吉門喬介(よしかどきょうすけ)から連絡が入ります。その内容とは企画のダメだし。ひるむ掛水に容赦ない吉門でしたが、さまざまなヒントを彼に与えます。そして、この出会いがおもてなし課、そして掛水を変えるきっかけとなるのです。
少し間が抜けていて、鈍感で、お役所に染まっていた掛水が、人との出会いや周りの人の助けをもらいながら“かっこよく”成長する本作。ノンフィクションとフィクションを織り交ぜながらのあらすじは、まるでドキュメンタリーを読んでいるような作品に仕上がっています。
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