健康でいこう!
全身とつながる耳つぼが気になる健康と美容に作用する!
私たちのからだには、いたるところに“つぼ”が存在しています。なかでも耳のつぼは、中医学において生命力の源とされる気血(きけつ)の集まる場所とされ、数千年も前からそのつぼを使った治療法が施されてきました。もちろん、それは現代人にも効き目あり。気軽にできる耳つぼ活用法をご紹介します。 一般社団法人中医学耳つぼ美容協会 理事長/日本中医学会所属 国際中医師A級
作田 真介(Shinsuke Sakuta)さん
1978年広島県生まれ。大学時代に専攻した文化人類学と図書館学をきっかけに東洋医学に触れ、在学中より耳つぼシールの開発・販売に携わる。これをきっかけに経絡や中医学にひかれ、北京中医薬大学日本校に入学。同校卒業後、国際中医師A級ライセンスを取得し、2010年から現職。主な著書に『貼るだけキレイに! 耳つぼエステ』(TOブックス)がある。
経絡という線路の上に点在する駅“つぼ”
からだの状態を瞬時に映し出す鏡のような存在
 ビジネスにおいて、ある要点を指して「○○のつぼ」と言いますが、それはまさにつぼが私たちの生命活動において重要な役割を担っているからです。昨今、つぼを特集した雑誌や書籍、施術場所の増加で、「つぼ=健康の源」という意識はもはや常識として広く一般に浸透しています。
 元来、つぼ(=経穴(けいけつ))は中国起源の中医学に基づいて発展してきました。中医学では、生命のエネルギーを気血と呼び、それらは臓腑と結ばれた経絡という道を通って、体内をめぐっていると考えられています。言ってみれば経絡は線路で、つぼは駅。例えば足裏のあるつぼを押すと胃が反応するように、一見関係がないように見えても、経絡のつながりによって、離れた部分が互いに呼応し合う仕組みになっています。
image1  つぼは、気血のめぐりをスムーズにする役割を果たします。病気や体調不良によって気血が滞ると、つぼにホクロができたり、皮膚があれたり、コリが出るといった症状が現れます。からだはとても素直で、変化や異常が起こると、その反応がからだのどこかに現れます。そのひとつがつぼなのです。なかでも耳は、お腹の中にいる胎児の形に似ていると言われ、事実、その形を耳に当てはめてみると、胎児のからだの部位とほぼ同じ場所に、その部位に対応するつぼがあります。
 つぼはからだの状態を映し出す鏡。普段と違うなと思ったら、できるだけ早く対処してあげるとよいでしょう。
胎児の形に似た耳とその形に沿ったつぼ
手軽にできる耳つぼの活用法とは?
 主要な経絡は14本(正経十二経、任脈、督脈)ありますが、耳は正経十二経が通っている、いわばエネルギーの集まる場所。経絡上のつぼとは別に、耳にはつぼが200個程あり、約2000年前の中医学書にも耳つぼに関する記述があるくらいです。
 脳に近い耳つぼは、作用も早く効果が出やすいのが特長です。手軽に刺激できる部位なので、ビジネスパーソンが活用しない手はありません。下記の図を参考に、通勤や休憩時間、エレベーターの中などでぜひ試してみてください。
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 美容やダイエットにも効果を発揮するのが耳つぼの強み。女性のみならず、メタボに悩む男性にもおすすめです。(社)中医学耳つぼ美容協会では、耳つぼに関する情報提供をはじめ、耳つぼダイエットアドバイザーや、中医学に沿った各種講座を開催しています。
 つぼからのサインをキャッチするには、普段から耳の状態を知っておくことも大切です。つぼ活用術を知って、理想のからだづくりを目指してくださいね。
●奉行EXPRESS 2011年秋号より [→目次へ戻る]