特集2:ネットワークとサーバーの活用で企業力アップの波に乗れ!
使い方次第で変わるパソコンの有効利用方法
業務拡大に合わせたIT環境の整備は必須
 業務に欠かせないパソコン。一人につき一台のパソコンを提供する大規模企業に比べ、小規模企業では複数の従業員で一台のパソコンを共有している場合も少なくありません。「一人一台の必要性を感じない」「パソコンに投資する余力がない」との意見もあるでしょう。しかし、事業所に一台しかないと、生産性はもっぱら下がるばかり。例えば、複数では同時にパソコンを使えないので業務がストップし、時間にロスが生じます。営業担当者が日報を書きたくても月末の処理に追われる経理担当者が使っていれば、いつパソコンが空くか分かりません。自宅で作業すればいいという考えもあるかもしれませんが、企業の信頼を喪失する情報漏えいの危険も潜んでいるので、安易にデータを持ち帰ることは好ましくありません。また、パソコンには容量や能力に限界があります。ファイルやデータは外付けのメモリーに保存することも可能ですが、社員全員のデータをしまうにもそれなりの容量が必要で、容易に持ち出すことができる周辺機器はやはり紛失の恐れもあります。部門の違う社員がそれぞれアプリケーションをインストールすると、起動に時間がかかったり、フリーズして再起動を繰り返さなければならない状況に陥ることもあります。
イメージ  一方、複数台あったとしても生産性が低い状況にある企業も少なくありません。例えば複数の従業員が利用するアプリケーションを一台だけで運用している場合や、ファイル共有ができておらず非効率的な作業を行っている場合です。前者では、経理担当者が勘定奉行でまとめた月次推移表を経営者が確認する場合、いちいちデスクまで行きファイルを閲覧しなければならなかったり、担当者が上司にメールで報告しなければならないといった手間をかけてしまいます。せっかく最新のデータを仕上げても、メールを送り忘れることもあるでしょう。そうした状況ではスピード感も鈍ってしまいます。後者はどうでしょう。企画書や報告書がいい例です。ワードやパワーポイントのファイルを作るには時間がかかります。同部署や同プロジェクトの社員が作ったファイルがあれば作成もスムーズですが、共有できていないと一から制作しなければならず、せっかくの資料もムダになってしまいます。
 企業は成長しなければなりません。その成長過程には人員が増え、設備が増え、データが増えるでしょう。多忙な毎日で「整備」に追いつかず、いつの間にか煩雑化してしまっていることも多いはずです。そんなときに活用したいのがやはりITです。前述で紹介したケースの対策としてどのようなITが有効かを見てみることにしましょう。
ネットワーク化がもたらす作業の変化
ロスなし・手間なし・ストレスなしの3ポイント
 企業の成長に伴い設備であるパソコンが増えると、それぞれのパソコンを共有化するネットワークの登場が不可欠です。そのネットワークというのが通信網(LAN、インターネットを使用して支店や拠点を結んだイントラネットなど)です。それぞれのパソコンをLANで結ぶことで、お互いのファイルやデータなどさまざまな情報を共有化することができます。個別に管理していた資料を一台のサーバーに集めれば、他の社員が書いた書類をいつでも参照できるようになったり、過去に作られた企画書などの書類を雛形として共有することで、それぞれで最初から書類を作成する手間が省けます。さらに、見積書や請求書、納品書といったファイルを一元管理することもできるため、管理しやすいよう書式を統一したり、担当者が不在でも過去の見積もりや納品実績を検索することも可能です。このようなスムーズな業務の進行で、ルーチンワークに費やす労力を軽減しストレスのない環境が整うはずです。
 ちなみにこの通信網、現在では、インターネットの利便性と電話網の信頼性を融合させたNGN(次世代通信ネットワーク)も整備され、このような設備を使用すれば、さらにITの活用範囲が広がるでしょう。
ネットワークの利便性
最新のサーバーOS「Windows Server 2008 R2」で叶える
業務効率向上とセキュリティ強化
 これまで説明した内容は、すべて本社内1箇所で業務を行う場合を想定したものでした。そこで、本社から離れている支社や支店が本社のサーバーを使用する場合を考えてみましょう。支社・支店から本社のサーバーにアクセスするためには通信回線が必要です。通信速度が速いブロードバンド(広帯域)が普及しつつあるとはいえ、通信速度の遅いナローバンド(狭帯域、低帯域)を使用している中小企業も少なくありません。例えば、支社から本社のファイルサーバーに入っている画像入りのパワーポイントファイルや、高画質で撮影した写真1枚をダウンロードするのに、ナローバンドの場合、1時間以上かかる場合もあります。これでは参照するまでに時間がかかってしまい、業務ができず生産性も低下します。そこで取り入れたいのが、昨年、マイクロソフトから発売された新しいサーバーOSのWindows Server 2008 R2です。パソコンOSのWindows 7との連携などが強化され、業務に有効なさまざまな機能が追加されました。中でも注目したいのがBranchCache(ブランチキャッシュ)。支社・支店などの小規模オフィスに使える新機能として「分散キャッシュ」が搭載されました。
 この機能は、Windows 7とWindows Server 2008 R2の組み合わせで高速にファイルをダウンロードできる仕組みです。例えば、本社から新製品に関する資料が完成したのでサーバーから各自ダウンロードするように連絡があったとします。新製品資料のように写真や図が入っているとファイルの容量は数メガバイトになります。この容量をナローバンドでダウンロードするとなると、1時間以上かかります。これを各々でダウンロードするのでは、大変なロスです。では、Windows Server 2008 R2のBranchCacheを使うとどうなるでしょう。まず、一人目の社員が本社サーバーから資料をダウンロードします。その後、二人目以降の社員がダウンロードしようとすると、Windowsが一人目の社員のパソコンにある同一データを探し出し、自動的に一人目の社員のパソコンにアクセスして資料をコピーしてくれます。それまで各人が1時間以上かけてダウンロードしていた作業は、たった数秒程度で完了します。業務がスムーズにはかどるばかりでなく、生産性も向上することはいうまでもありません。
 また、Windows 7とWindows Server 2008 R2との組み合わせでソフトウエアの許可/禁止(制限ポリシー)の問題点を解決したAppLocker(アプロッカー)があります。これは、コンピュータ上のプログラムの実行を許可または禁止できるセキュリティ機能で、ファイルの閲覧やアプリケーションの実行も制御できます。例えば、企業では経営者のみに公開したい、あるいは奉行シリーズなど経理部の社員のみ実行したいアプリケーションなどがあるはずです。その場合、専用の管理ツールから簡単に、グループあるいはコンピュータごとに制御を設定できます。また例えば、アルバイトやパートタイマーの使用するパソコンではInternet Explorerの実行を禁止してインターネットの閲覧を禁止することも可能です。実行可能なアプリケーションを設定することで、企業のネットワークやパソコンの安定性や安全性が増すことが期待されます。
安定稼動と信頼性のあるサーバーで仕事もらくらく
秀逸なコストパフォーマンスにも注目
 ネットワークによる情報の共有化が進んでいくと、データの整理や処理速度の問題などで、パソコンに多くの仕事をさせるよりも、データの保存やアプリケーションの稼働などにサーバーを活用する方が効率的になってきます。
 そこで検討したいのが、従来よりもだいぶ導入しやすくなった小型のサーバーです。データの保管先をサーバーに集約することでバックアップが容易になり、情報の共有化や一元管理化がさらに進み、作業ストレスや効率もアップします。奉行シリーズのようにネットワークに対応したLANPACKやNETWORK版の製品であれば、サーバーに多くの処理をさせ、ライセンスの台数分の複数のパソコンで入力や閲覧操作ができるようになり、一層効率化が進みます。また、バックアップの保存先としてもパソコンよりも信頼性の高いサーバーであれば、データが壊れるといった心配が格段に少なくなります。サーバーの有効活用は、企業に不可欠な要素となってきました。
富士通広告  高性能のサーバーを提供する富士通は、奉行ユーザーのサーバー導入実績が3年連続でNo.1(OBC調査)。特に中小企業向けに発売されている「PRIMERGY TX100 S1」は、確かな性能と信頼性に加え、導入・運用の両面で低コスト化を実現しています。常に稼働状況を確認できるサーバーの監視ソフト「ServerView Operations Manager」を搭載しているので、動作の不具合を未然に防ぎ安定性を確保できます。コスト面では、IT投資の負担をかけずに導入できる10万円以下のキャンペーンモデルを用意しており、中小企業にとっては購入を検討するよい機会になるでしょう。また、従来と比べ消費電力も低減(最大178ワット)しているので稼働率の高いサーバーでも運用コストを気にすることなく最大限にマシンを活用できます。さらに稼働音の静けさは、木葉のふれあう音と同じ音量レベルを達成。とてもコンパクトで省スペースでの設置が可能です。まさに小規模オフィスに欠かせない一台といえるでしょう。
富士通1WAYエントリーサーバー PRIMERGY TX100 S1
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高性能を備えたサーバーはもちろん
選定に重要な省スペース&静音性の要素
 中小企業がサーバーを選ぶ際、性能以外に省スペース・静音性の機能を条件として選定するとよいでしょう。サーバーと聞くと大きなマシンを思い浮かべますよね。デスクやキャビネット、複合機やシュレッダーなど、なにかと手狭になりがちなオフィスにとって、そのような大きいマシンを導入し、サーバー専用スペースを確保することは難しいものですし、新たな場所を作るにしてもコストがかかります。また、たとえサーバーの場所を確保できたとしても、社員のデスクとオフィス機器との距離が近い小規模オフィスでは、それらが発する音も気になります。みなさんも経験があるように、例えば、コピー機の音、シュレッダーの音、パソコンのファンが回る音などが近くにあると、うるさいとストレスを感じたことがあるはずです。
NEC広告  そこで注目したいのが、NECの小規模オフィス向けエントリーサーバーのExpress5800シリーズ「スリムサーバ(水冷タイプ)」です。第一の特長はスリムな姿。一般的なサーバーのサイズに比べて半分以下、幅は約93mmで名刺を横にしたときと同じ。さらに、縦置きのイメージがあるサーバーを横向き対応にし、レイアウトフリーに設計しています。そのためデスクトップパソコンの横に本と一緒に並べブックエンド代わりに使ったり、デスクトップの下に置いたり、棚やデスク周りなどの限られた場所でオフィスに合わせた自由度の高い設置が可能で、場所をとりません。そして第二の特長が静けさです。前述のように、オフィス機器とデスクが近い小規模オフィスでは、それらが出す騒音が気になるものです。そのため、稼働率の高いサーバーは静音性が重要なポイントとなるのです。NECのExpress 5800シリーズ「スリムサーバ(水冷タイプ)」では静音性に優れた「水冷式冷却システム」を採用し、気になるサーバー音を約32dBまで低減しました。オフィス以外でも、騒音が敬遠される病院や図書館などで使用されていて、その実力は確かなものです。
NEC 小規模オフィス向けエントリーサーバー Express5800シリーズ
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トラブル回避で安心して業務に集中
充実のサポート体制と費用対効果の高さで企業を支援
 IT機器を導入する際、最大のポイントとなるのが安心と信頼です。毎日休みなく働くコンピュータ機器は壊れにくいことはもちろん、故障した場合にどれだけ業務のロスを少なく、ゼロに近づけるかという対応はさらに重要です。それは、たとえ堅牢なつくりのハードウェアでも、いつかは壊れるものだからです。このような障害へのサポートはサービスメニューによって無償の場合や有償オプションにより迅速で手厚いサービスを用意したものなどがあります。業務を預かるサーバーが止まることは許されませんから当然ですね。また、サーバーなどの機器類とサポートにかかる費用などを一体と考え、コスト比較することもIT機器の信頼性と並ぶ重要な要素です。事実、約6割のユーザーが「ハードの信頼性」と「価格」をサーバー選びのポイントとしてあげた調査結果があります(「日本経済新聞インターネットモニター読者調査」2009年10月)。
 そして、まさかの事態にも迅速な対応が特長なのが日本アイ・ビー・エム(以下IBM)です。IBMが提供するサーバー「IBM System x3200 M2 Express モデル」は、障害予知機能「PFA(Private Failure Analysis)」を搭載し、部品が故障する前に検知。インターネットを介して自動的にIBMへ通知します。サーバー本体にも「!」マークが表示され、注意も促してくれます。万一トラブルが発生した場合でも、サーバーが自動的にインターネットを介してIBMセンターに通知し、すぐにトラブル対応に動く仕組みで、土日も深夜早朝も障害監視サービスがサーバーの健康状態を監視し、最短の時間で復旧。業務への支障を最低限にとどめる体制が整っています。初めてサーバーを導入する企業にとってもメンテナンスが楽に済み、専属のIT管理者でなくても安心して導入できます。しかも、障害の発生したその日のうちにサービススタッフが対応します。ゴールデンウィークや年末年始も例外なく即時対応してくれます。
 このような手厚いサポートがあれば休日も業務を行う企業にとっても安心です。IBMの「IBM System x3200 M2 Express モデル」では、障害予知機能やトラブル対応が無償で提供され、遠隔監視も3年間は24時間でサービス提供しているのが大きなポイントです。きちんとしたプランが組まれたサーバーの選択がコスト低減にも役立ちます。後々費用がかさんでは本末転倒。「IBM System x3200 M2 Expressモデル」の導入は、費用対効果が非常に高いIT投資といえます。
IBM “安心”“安全”を備えたIBMのサーバー IBM System x
IBMキャンペーン
企業規模を問わず対策が必要なセキュリティ
企業を崩壊させる致命傷を未然に防ぐ
マカフィー広告  IT環境の向上に比例して、巧妙化・高速化したコンピュータウイルスへの感染や障害発生の率も上がっています。ウイルスに感染すると、社内のネットワークやパソコンなどに影響し、顧客データなどの機密情報が流出したり、取引先にウイルス感染した見積書を送ってしまったり、サーバーの設定不備で改ざんの被害にあったり、コンピュータが壊れることもあります。こうなれば信用喪失や金銭的ダメージは避けられません。そうならないためにも、企業にはより強固なセキュリティの確保・対策が求められています。マカフィーでは、必要なセキュリティ対策をまとめたサービスを提供。McAfeeのデータセンタからプログラム、エンジン、ウイルス定義ファイルなどの全てのコンポーネントの更新やバージョンアップを自動的に行いますので、ハードウェアや運用要員のコストを抑制できます。
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「ITの新年」として企業の設備を見直し
企業力アップの波に乗るためのIT化を実行
 IT投資=コストがかかるというイメージを持つ中小企業も多いかもしれません。しかしこれからの企業経営にとって設備のIT化は、取引先とのやり取り、業務効率化、企業の成長、営業・経営力の強化の面からも避けることはできません。今ではほとんどの企業でパソコンが普及していますが、今回紹介したネットワークの高速化や、サーバーといった新たなIT機器を投入している中小企業はまだ少ないでしょう。

 現在、IT機器やサービスを提供する企業から、中小企業など企業規模や成長過程に合わせた無理のない、安価で高性能な商品が発売され、キャンペーンなども積極的に行われています。このようなサービスを積極的に活用して、無理と無駄のないIT投資をお勧します。IT投資は人材育成と同様で、常に育てて企業に根付かせることが大切です。企業力アップの波に乗るためにも、今こそ「ITの新年」としてIT環境を見直してはいかがでしょうか。
●奉行EXPRESS 2010年冬号より [→目次へ戻る]