筆者は大学入学を控えた18歳のときに天職に出会います。愛知県出身の筆者は、山口県の大学を受験し合格。住居を探しに山口市内を訪れた際、借家の近くにアンティークな喫茶店を見つけます。そこで、のちの人生を変える葬儀屋のアルバイトに出会うのです。
葬儀屋のアルバイトは祭壇の組立、解体が主な仕事。その中で、遺族と接し葬儀のすべてを取り仕切る先輩の姿と「心から感謝される仕事」の素晴らしさに触れ、先輩のようになりたい!と大学には行かず葬儀屋の社員となるのです。仕事に対するやりがいと熱心さで早々と腕を上げていきますが、“若さ”と“偏見”という乗り越え難い壁にぶつかります。学校を卒業したばかりの若さで葬儀を取り仕切る遺族の不安、「死」を扱う仕事への偏見など苦労は絶えません。それでも常に「感謝されたい」という思いで仕事に望む著者は、25歳で葬儀会館の店長に抜擢された後、別会社に渡り新事業部の責任者に就きます。その後、様々な出会いに恵まれ30代後半に独立し、中部圏の葬祭企業としては初となる名証セントレックス上場を果たしたのです。
筆者は「熱心さ、働く喜び、人に感謝される仕事の誇り」を持っています。また、どんなときも「信頼でき、尊敬でき、憧れとなる先輩」が存在し、さらに「自分の感じたこと、学んだことを後世に伝える」新たな目標を見出しました。
自分に何ができるかと問う前に、何に一生懸命になれるか、情熱を持てるのかを考えさせてくれる一冊です。
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