健康でいこう!
夏バテ予防のために日頃から体調を整える!
何となく身体がだるかったり、食欲がわかなかったり…。人によりその症状は様々ですが、これから迎える暑い夏に向かって、多くの人が悩みを抱える夏バテ。その予防には日頃の体調管理が大切なことは言うまでもありませんが、生活が不規則な現代人にとっては、何から手をつけたらよいのか悩みどころです。
今回は、ニホンドウ漢方ブティックの金 偉勇さんに、漢方薬による夏バテ予防についてお話をうかがいました。
金 偉勇さん ニホンドウ漢方ブティック
麻布店 中医師
日中漢方研究所主任研究員
金 偉勇(Kin Iyu)さん
1983年中国上海中医薬大学医療系卒業。中西医融合内科医として内科疾患の研究治療を、特に循環器系高血圧、狭心症、不正脈等上海医科大学付属病院と一緒に共同研究した経験を持つ。最近では婦人科系(生理不順、不妊症など)の漢方治療研究を行っている。
カウンセリングで症状と体質を知る
 漢方とは東洋医学とも言われ、古代中国の陰陽五行に基づいて、自然界と人体の生理、病理の影響、また、人体は、基本として気・血・水で構成されており、肝・心・脾・肺・腎の五臓とこれに付随している六腑(五臓六腑)がお互いに助け合い、制約し合って機能する関係にあることなどを総合的に考えて、導き出されたものです(右ページ図参照)。
また人間は、自然環境の中で生きていくことにより、自然環境の変化に適応し、正常な生理活動を保持してきました。よって、自然環境の変化が人間の適応能力を超えた場合に、体内の機能が失われたり、低下したりすることで、発病するというわけです。
夏バテもそのひとつで、“暑気(強熱)”を受けることで、胃腸などの臓器の働きの低下を招くのです。しかし、同じ夏バテでも、症状(食欲不振や頭痛など)や原因には個人差があります。それを重視するのが漢方、西洋医学と異なるのはこの点です。病気の原因や個人の体質を総合的に判断した上で薬を処方するため、漢方、東洋医学において、カウンセリングを受けることは非常に大切なことなのです。
現在、日本で使われている漢方は、管理上、大きく2つにわかれています。1つは、日常的な食事の中で使用されたり、お茶などに取り入れたりして、手軽に摂取できるもの。代表的なものとしては、ゴマ、胡桃、なつめ、アロエなど。サプリメントとしての働きもあります。
そしてもう1つは、それら以外の生薬で、医薬品として症状や体質ごとに厳しくチェックして処方されるもの。さらに、その生薬ひとつひとつをブレンドした処方薬(葛根湯など)は、薬事法により、約220種類の処方が定められています。これは、きちんとカウンセリングを受けて、自分の症状や体質に合わせて処方してもらい、服用することが必要です。
夏バテ予防には正しい体調管理を
 先ほども少し述べましたが、夏バテは、体が“暑気(強熱)”を受け、汗として大量な水分(津液)とエネルギー(気)が消耗され、体力的に問題があると、胃腸などの臓器の働きが低下することによって起こります。特に休養と栄養のバランスが悪い人、体力のない高齢者や女性などに多く見られます。
夏バテと一口に言いますが、いくつかのタイプがあります。よく見られるのは、疲れやすい「虚弱タイプ」、暑さでイライラする「実熱タイプ」、体が重い「湿熱タイプ」の3タイプ(右ページ夏バテタイプチェック表参照)。各タイプごとに症状が異なり、それぞれに治療法があるため、処方される漢方薬も異なってきます。まずは、食事(栄養)、睡眠、休養のバランスを保ち、五臓六腑を正常に働かせることで、体調を維持し、夏バテを予防することができます。また、日常の食事に漢方を取り入れることで、不調になる前に体質改善を図ることができます。
漢方の効果は、いずれもその人の状態や体質、体力などの条件によって決まります。効果があらわれるスピードも緩やかで、徐々にはっきりします。
また、漢方には病気を未然に防ぐ効果もあるので、夏本番を迎える前に、漢方医や漢方薬局でご自分に合った薬を見つけて、夏バテ予防をしましょう。
夏バテタイプチェック 夏バテ予防におすすめの食品
漢方における体質の考え方
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●奉行EXPRESS 2006年夏号より
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