特集:低コストで安心な業務環境を手軽に実現
経済環境や市場の動向により企業の組織体制も刻々と変化しています。また新会社法の施行により、今後様々なビジネスモデルを持った企業の増加が予想されます。そんなビジネスの潮流にうまく乗っていくことが、今後の企業の在り方、“会社力”を決める要素ともなってくるでしょう。
社内から社外へ〜通信環境整備の変化〜
 昨今では、仕事のスピードが年々速くなり、顧客の信頼に早期に対応できる販売拠点体制をとったり、また外出先やクライアントとの交渉の場において、タイムリーな情報を提供するなど情報資源を常に意識して活動することが求められています。そうなると、当然のことながら、「一人営業所」に代表される小規模な事業所設置によるデータのやり取りや、小規模経営の代表者による自宅から社内データへのアクセスなど、外部拠点や外出先からの会社業務データ操作、情報確認といったビジネススタイルが必然的に多くなってきます。社内のLAN環境では、LANに接続されたコンピュータ同士の場合、ある程度自由にデータのやり取りが可能ですが、離れた事業所などからも接続し情報を共有したいとなると、回線の確保や特別機器の導入・設定を行う必要があります。これまでは社内の通信環境整備が重点的に行われてきましたが、おおむね一段落した現在では、企業をとりまく経済環境や要望に応じるため、離れた場所を仕事に使えるカタチで結ぶ手段が必要となり始めています。
大企業の事業所間などの拠点同士の通信手段として、2000年頃までは、「専用線」というネットワークサービスが主流でした。専用線は、特定の2拠点を物理的なケーブルで結ぶデータ通信専用の回線で、インターネットとは異なり、外部とのデータの行き来が無いため情報を第三者が盗めない高セキュリティで、高速で安定した通信が可能でした。反面、利用料金や維持コストが非常に高く導入の手間もかかることから、一般に大企業でしか使用されていませんでした。
ADSL回線や光ファイバー回線による高速なブロードバンド接続が利用できる時代になってからは、専用線に匹敵するスピードのサービスが提供され始めました。数Mbpsレベルの高速回線を安価に利用でき、利便性が格段に向上しました。しかし、あくまでインターネット上でデータをやり取りするため、専用線とは異なり第三者からデータを盗み見られたり、改ざんされるなど、セキュリティの点において常に不安がつきまとい、企業用のインフラとしては活用へ踏み切れない状況でした。そこで登場したのが、安価なインターネット回線にセキュリティを付加し、専用線と同等の通信環境を確立するVPNでした。
VPN(Virtual Private Network)とは
 VPNとは、インターネットをはじめの公衆回線にセキュリティを付加し、特定の拠点間に仮想的な(Virtual)専用線(Private Network)の環境を実現する技術です。
実際には、拠点に2つのセキュリティに対するアプローチがあります。ひとつめは、拠点にVPN接続するためのVPN機器をそれぞれ設置し、このVPN機器の間にデータが通過するトンネルを設定します。データ送信時には、送信側のVPN機器でデータを外部に送信できる状態に変換しインターネット回線を使って受信側のVPN機器に送信します。このトンネルの設定(トンネリング)により、異なる拠点間の安全なデータ通信が可能になるのです。
ただし、トンネリングだけではデータの内容が見えてしまい、そのままではデータの中身を盗み見られたり、改ざん、なりすまし等の危険性があり、セキュリティ面で不安が残ります。 そこで、2つめのアプローチである暗号化とは、送信するデータをある決まった規則にしたがって変換することでデータを解読不可能な状態にし、受信側では規則にしたがって復号化することで元のデータに変換する作業で、これにより万が一データがハッキングされたとしても暗号化されたデータを解読することは困難になり、セキュリティレベルを高めることができるのです。
VPNでは、トンネリングと暗号化の2つの技術によって初めて、セキュリティを確保した状態で、異なる拠点を、あたかもLANで接続しているのと同じ様につなぐことが可能となるのです。
専用線と異なりインターネット回線を使用するので、通信速度や安定的接続といった通信品質や信頼性という面では若干劣りますが、複数回線を確保し施設する費用や運用コストは専用線よりも安く抑えることができ、また暗号化によって信頼性を担保できるため、営業所が多数存在する企業の用件をとらえ、導入する企業が増えています。
VPNルーターを用いた構築手法
VPN接続のメリットと問題点
 VPN接続は、安価なインターネット回線の利用でコストを削減でき、データの暗号化によりセキュリティも確保できるといったメリットがあり、回線コストの削減とセキュリティを兼ね備えた接続手段として有効です。
しかし、VPN接続には専用ハードウェアの導入やセッティングの必要があり、導入段階での人的・機器的費用の負担が発生します。また、VPN環境を構築する際はもちろん、環境を維持・管理するには専門知識が必要となり、社内に管理できる技術者がいない場合は、運用やメンテナンス作業を委託する必要性もあるため、初期費用とあわせると、さらにコスト的な負担が大きくなり、導入を検討するにはまだまだハードルが高い技術であると考えられていました。
「OBCセキュアアクセスキー」でVPNを手軽に
 OBCが提供しているOBCセキュアアクセスキーは、VPN環境を手軽に確立するツールです。「OBCセキュアアクセスキー」は、OBCが提供している接続センターの認証サーバ経由でデータ通信を行うことにより、本社や営業所などの異なるLAN環境や自宅・外出先などから、Citrix Accessやリモートデスクトップを使ってリモートアクセスをする際、手軽に回線にセキュリティを付加するサービスです。
VPN環境を簡易化し、高セキュリティな回線環境をOBCセキュアアクセスキーで用意すると同時に、遠隔運用(遠隔リモート操作)やデータ閲覧などの処理を可能にするCitrix Accessやリモートデスクトップなどのサービスを並用することで、基幹業務システムの遠隔運用が可能になるわけです。
Citrix AccessやリモートデスクトップサービスとOBCセキュアアクセスキーを組み合わせることで、インターネットに接続できる環境さえあれば、どこからでも安全に「奉行シリーズ」へ簡単接続が実現できます。そして、煩雑になりがちなVPN導入時点の様々な設定や既存のネットワーク設定の変更も必要ないため、早期にVPN接続を実現できます。また、既に専用線やVPN環境を利用している企業であっても、新規拠点の遠隔地接続の増設や営業マンのモバイルPCからのVPN接続も可能となり、接続する拠点やPCの数が変化する場合には大きな効果を発揮します。
必要な設定は全てUSBキーの中のアクセス不可能な領域に保存されており、万が一紛失してしまってもその構造を解析される心配はありません。また、管理担当者によるWebブラウザ画面からの接続アカウント停止や、パスワード変更、利用状況やログの参照が可能となるなど、回線管理におけるセキュリティ確保や利便性の高さも特長です。
導入を検討される企業では、小規模な営業所であっても奉行シリーズへの入力や参照をしたいというケースが増えています。新たに事業所を開設したが通常の機器によるVPN接続を行うにはコスト的に見合わなかったり、接続するユーザー数が少ない場合には、最大のコストパフォーマンスが得られるでしょう。また、自宅から会社の奉行シリーズにアクセスし、会社の状況を確認したいという方にもご利用いただけます。
奉行LANPACK with Citrix Access+OBCセキュアアクセスキー
OBCセキュアアクセスキー
利用料金は、「本体価格USBキー2本」+「ライセンス料」+「1年間の利用料」で84,000円(税込)からと低価格で利用可能です(USBキー追加購入の場合は1本42,000円(税込))。
※Citrix Accessについては、費用別途となります。
また、2年目以降は「ライセンス料」+「1年間の利用料」で12,600円(税込:1本あたり)とさらにコストメリットが得られます。
今まで導入コストやセキュリティ面から導入に踏み切れなかった奉行ユーザーの方、この機会に再度検討してみてはいかがでしょうか? 簡単・安全・利便性をまとめて手に入れるチャンスです。
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●奉行EXPRESS 2006年夏号より
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