みなさんは、仕事における「キャリア」や「能力」という言葉をどう捉えていますか?
これらは決して、学歴や肩書き、資格の有無だけで表されるものではありません。
本書ではまず、キャリアに関するさまざまな誤解を挙げています。その上で、キャリアを成功に導くために著者が考える基礎的な能力を「12の基礎力」として定義し、その欠如によるデメリットと取り組むべき年齢(“旬”となる適齢期)とを明らかにしました。
これら12の基礎力は、対人、対自己、対課題の3種類に分けられますが、いずれも本質的に「いい仕事を楽しくやる」ための能力だとされています。成功のためには「目標を持つ」ことや「信念を持ってやり遂げる」ことが重要と言われがちですが、「あらかじめ自分のキャリアを計画して思い通りに歩んでいくことは現実的ではなく、もっとプロセスの中で獲得していくものではないか」という著者の意見は印象的です。そのプロセスを支える12の基礎力は、ほかならぬ自分自身のキャリアを満足させるための実践を必要としています。
就職を控えた学生であれ、セカンドキャリアを模索する中高年であれ、自分の能力を計画的に開発することの重要性を訴えています。心や精神の“成熟度”の大切さをあらためて実感する一冊です。 |