今も昔も変わらない人気企業ランキング
各種媒体で今年も学生の人気就職企業ランキングが発表されています。ちなみにディスコが発表しているランキングでは全体1位は全日本空輸(ANA)でした。
昨年度に続き、本年度も金融など志望企業ランキングの上位に名を連ねるような人気企業の大量採用・採用活動の早期化が見られました。ディスコの2008年5月のモニター調査によると文系回答者の786名の28.2%が銀行業界の内定を得たと答えています。全体の内定率は63%で前年の65.7%を2.7%下回りました。企業の収益は高水準を維持していますが、原材料費の高騰や原油高など経済環境の悪化要因もあり、企業の採用意欲も落ち着きを見せています。
とは言っても、少子高齢化、団塊の世代の大量退職を背景とした構造的な人材不足は今後も避けることはできません。
もうお気付きですか?ここ数年で採用市場が完全に変わったことを。
採用活動は企業が学生を吟味し選ぶ活動から、学生から選んでもらう活動になりました。選ばれなければならないので、マーケティング的な視点が重要になります。
「知ってもらって、興味を持ってもらって、入社を決意してもらい、入社してもらう」といったプロセスが必要になります。
今回は「入社を決意してもらう〜入社してもらう」のプロセスについてお話します。
昨年、本年と採用が早期化したことで@入社意欲が希薄なうちに内定を出してしまっている。A内定から入社までの期間が長いため入社意欲の低下要素が多く存在する。といったことが顕著に見受けられます。
これは、内定を出している企業様にとっては数社から内定を得ている学生に自社を選んでもらうための内定者フォローをしないと辞退者が発生する可能性が高いと言えるし、採用活動を継続する企業様にはまだ自社を選んでもらうチャンスが残されているということです。
内定者のうち複数内定を保持している学生が5.3%、就職活動を継続する学生は35%と答えています。(ディスコ・就職モニター調査結果/2008年5月)
まだまだ、最終的な入社先が変わる可能性は多いにあると言えます。
優秀な人材の獲得競争が激化するなかで、自社を選んでもらうために必要なことの一つとして、「学生の不安感の払拭」が挙げられます。

近年の採用活動の傾向としてOB・OGをリクルーターとして活用、イベントへの
積極的な参加など、人を介した採用情報の提供に力を入れる企業が多いためか人
間関係に対する不安は少ないと言えます。裏返すと、採用活動の過程で人間関係に対する不安が解消できていない企業は「選ばれる要素」を満たしていないと言えます。人を介した採用情報の提供が少ない企業様は採用情報の提供方法を一度見直す必要があるかもしれません。
具体的な仕事内容や労働環境、企業情報を正確に誤解なく開示することで、入社の意思決定の障害の一つを取り除きます。
加えて、リアルな情報を伝え入社後の就業イメージを具体的に持ってもらうことで、入社後のミスマッチも事前に防ぎ、入社後の定着率を高めることにも繋がります。
今回は後半戦で重要になる内定者フォローについてお話しさせていただきました。次回は前半戦で残念ながら採用活動がうまくいかなかった企業様が、どうすれば後半戦にリカバリーできるかと2010年採用に向けてお話をさせていただきます。
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